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my life as a ...
by chick_pea
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爪と瞳とシアワセと

His paw and claws

猫らの爪を切るのは、夫ではなく私の担当。もともと、嫌がる猫がかわいそうだからと言って夫がやりたがらなかったため(←自分だけイイ人になってずるい)。
手の甲と肉球を指でつまんで軽く押すと、ニョキッと爪が出てくる。そこですかさず、ぱちんと猫用爪ばさみで切るわけです。我が家の猫はこの習慣が好きではないけれど、ちょっと嫌がりつつも観念し、させられっぱなしの状態となる。
私以外の人がすると、ボヨなんかはウ〜ッと唸ります。というわけで、私だけが許されている行為なわけだ。ちょっと優越感、ふふ。

猫の爪を切るという行為、特に気にしてはいなかったのだけど、ある猫の写真集を見てから、それについて少し考えたりします。ぱちん、ぱちんと爪を切るたびに、猫の野生の本能までも猫から切り離してしまってるのかな、な〜んて思い、ほんのちょっとだけ申し訳ない気分になる(でも、止めるつもりはありませんが)。




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先々月だったか、ようやく手に入れた写真集『Ernie: A Photographer's Memoir』。数年前、イギリスの本屋さんで偶然見つけ気に入ったものの、いつか買おうとamazonのwish listに入れそのままになっていた。
アートの世界で成功しようとニューヨークにやって来た写真家Tony Mendozaは、そこで住むことになった家の大家の猫Ernieと出会う。そのときから撮り続けたErnieのモノクロ写真がこの本には綴られています。

猫の写真集というのは数あるわけだけど、特に気に入った理由は、写真家と猫の距離感が近からず遠かからず、そしてユーモアがあり、見ていて気持ちの良かったところ。
それになんといってもErnieの表情が秀逸なのです。百面相という言葉はこの猫のためにあるのかと思うほど、彼はいろいろな顔を見せてくれる。実際、別の猫じゃない?って思うぐらい違うのだ。
表紙のErnieはおどけた顔だけど、捕まえた鳥を前にしたときは王者の品格すら感じる威厳ある顔となる。体を舐めるときは、さながら行灯の油を舐める化け猫のようだし。その一方で、猫の性、スーツケースの中にはまっている状態では悦に入った顔をしている。

そして一つ、ハッとしたことがあったのです。それはErnieの爪。
この飼い主は全く爪を切ってあげないのでしょう、全ての爪がカマのように鋭い。これで引っかかれると傷跡がなかなか消えないんですよねえ。そんな武器を持つErnieが獲物をねらおうと舌なめずりする姿は、怖く美しい。
まさに好奇心・野性味いっぱいのErnieにとって、このカマのような爪はなくてはならないものなのかもしれない。

それに比べてボヨの爪は、砂場で子どもが使うようなプラスチックの熊手みたいだ。これじゃあ、他の猫と戦うこともできないね。まあ、彼の場合、戦う前に逃げるでしょうが。
ただ、果たして彼の今の生活は、猫として本当に幸せなのかな、とふと思ってしまったのでした。

でも、窓から外を見つめるボヨの瞳は、Ernieと変わらずビー玉のようにキラキラして、好奇心に満ちているようでもある。彼は窓から誤って家に入ってしまった小鳥を射止めそうになった輝かしい過去もあるしね。
ErnieにはErnieの幸せがあり、ボヨにはボヨの幸せがあるということか?


Happy Birthday!

2月13日、ボヨは11歳になりました。
誕生日おめでとう。



写真集の表紙は布張りになっていてすてきなので、プレゼントとしてもお薦め。日本語版の方の装丁はどうなっているかわかりませんが、河出書房新社から『アーニー』というタイトルで出ています。

週末はちょっとお出かけの予定。みなさんも、よい週末を。
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by chick_pea | 2007-02-15 06:37
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